足踏み結束機解体新書

2024年1月版

カミコミが発生する瞬間
解説
  1. 1回目の結束トラブルの後、紐を外して、2回目に挑戦したところ発生。
  2. このカミコミは、「カミコミ防止機能」でも防ぐことはできないし、原因がわかりにくいと言える。
    しかし、この状況は、非常に珍しいケース。
カミコミが発生する瞬間(スロー)
解説
  1. カミコミとは、結束完了時に何らかの理由でクチバシコロがコロ押エからはずれクチバシコロがコロ押エから飛び出した 状態のまま、続けて結束動作を行ってクチバシ、サシコミなどが完全に停止したトラブルのことをいう。
  2. この状態になると逆転もできないので、解除するには一定の知識が必要になる。
  3. 映像では、最初の段階でクチバシは正面を向いていなければならないが、少し横を向いているのがわかる。
    尚、2回目の紐の回転で、糸押エに紐が掛からなければならないが、手回しで動かしているので空振りとなっている。
カミコミ
トラブル内容 原因 対策
カミコミ クチバシ調整ボルトが緩んでいると、クチバシが結束後、紐を離さなくなり、紐の弾力で引っ張られクチバシが横を向いてしまう クチバシ調整ボルトで結び輪の引き具合を調整
(調整ボルトを前方に押し出す)
クチバシ調整ボルトが強すぎると、コロ押エが開き、クチバシコロがコロ押エ停止位置から外れる
クチバシ調整ボルトで結び輪の引き具合を調整
(調整ボルトを手前に戻す)

・コロ押エ用板バネの強さと関連があるので板バネの力が弱い場合は、強くするか コロ押エ用板バネを交換する
クチバシコロにガタが発生し、コロ押エ停止位置から外れている クチバシを交換
コロ押エが摩耗

してクチバシコロが、コロ押エ停止位置から外れている
コロ押エを交換
結束後、クチバシが紐を離さないうちに、テーブル上から結束物を取り去る
カミコミ防止ピンが摩耗し、防止機能が働かなくなる
(カミコミ防止機能付きのクチバシ本体は、クチバシ本体の中に逆転防止のピンが装着されており、 そのピンをバネの力で、クチバシの溝に入り込み逆転を防止している)
 
カミコミ防止ピンを交換
セクターギヤとピニオンギヤのガタつき調整ネジが緩んでいる 調整ネジを締める
カミコミの解除方法
(カミコミ解除作業映像)

解説
  1. 逆転して解除したいところだが、サシコミとカッター部が接触しているので逆転もできない。
  2. まずは、逆転できるようにするため、カッター部を後方に下げなければならない。
  3. その方法としては、機械本体の後ろにまわり、ナイフ戻しレバーを押し上げれば良い。
    (正面からマイナスドライバーなどを突っ込んでナイフ戻しレバーを押し上げても良い)
  4. そうすると、サシコミとカッター部が接触がなくなるので、クラッチプーリを使って逆転することができる。
  5. 次に、クチバシを回して正規の固定位置におさめなければならない。
  6. クチバシを手で回してコロ押エの停止位置に入れなければならないが、クチバシを手で回して入れるのは硬くて難しい。
  7. クチバシをコロ押エの停止位置に入れる方法はいくつかあるが、最も容易な方法としては、後方からマイナスドライバーでコロ押エを少し開き、クチバシを手で回して停止位置に入れるのが良い。
解除の方法
  1. ナイフ戻しレバーを押し上げる
  2. 手でクラッチプーリを逆転させ、差込ミを後退させる
  3. 手でクチバシを回して正規の固定位置におさめる


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