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Q&A「結束機」について

「結束機」という呼び名

「結束機」という機種は広い意味で使用されています。
また、「結束機」も「把捉機」と呼ばれることもあります。
PPバンド結束機は、一般的には梱包機と呼ばれています。
メーカーの名称も「梱包機」です。
ユーザーさんは、梱包機という呼び方もされますが、「バンド結束機」という呼び方も
多いように思われます。

段ボール業界では、PPバンド結束機を使用することが少なく、紐掛機が多く使用
されるので、紐掛機と呼ばずに、「結束機」と呼ぶのが一般的です。
また、半自動の紐掛機を「足踏み」、全自動の紐掛機を「タンデム」とも呼ぶことが
多いようです。「結束機」と呼ぶと、PPバンド結束機と混同しそうですが、段ボール
業界では、紐掛機が主流なので、「結束機」=「紐掛機」ということのようです。
しかし、紐掛機のメーカーは「自動紐掛機」という名称を使用しています。
足踏みタイプの紐掛機を「自動紐掛機」と呼んでいるのですが、自動ラインに組み込む
全自動タイプの紐掛機はなぜか「自動結束装置」とメーカーは呼んでいます。

結論を言いますと、バンドであろうと紐であろうと結束する機械の総称を「結束機」と
呼び、PPバンド結束機の略称として「梱包機」、紐で結ぶ機械のことを狭い意味で
「紐掛機」と呼ぶと判断できます。

結束機(紐掛機)の特徴

1.機械(足踏み式)
 ・結束力が弱い
 ・部品点数が多いためメンテナンスが重要
 ・消耗が激しいため、注油は欠かせない
 ・モーターは1台のみで、制御機器はないため電気的なトラブルは皆無に近い
 ・消費電力は低い
2.資材・・・紐
 ・対象物は、軽量で比較的柔らかい物に限られる
 ・資材は、かさばらず、保管・廃棄が容易
 ・切断が容易
 ・ランニングコストは割安

PPバンド結束機(梱包機)の特徴

1.機械(自動機)
 ・結束力が強い
 ・部品点数が少ないためメンテナンスが容易
 ・オイルレス製品が中心
 ・制御機器があり電気的なトラブルも発生する
 ・ヒーターを使用するため、消費電力は比較的高い
2.資材・・・PPバンドが中心
 ・対象物は、比較的堅い物に限られる
 ・強度があり、重量物の運搬も可能
・資材はかさばるため、保管・廃棄が困難
 ・切断は容易とは言えない
 ・ランニングコストは割高

結束機の使い分け

紐掛機と梱包機の特徴を別の観点からまとめますと
 
紐掛機・・・ メンテナンス-△ 対象物-△ 環境-○ ランニングコスト-◎
梱包機・・・ メンテナンス-◎ 対象物-○ 環境-× ランニングコスト-△
 
トータル的に見ると、「甲乙付けがたい」という結果になりましたが、ほんのわずか
差があるとすれば、環境の点でしょう。
最近では、環境意識が高まっていますから、「どちらでも良い」ということであれば、
紐掛機を選択した方が無難です。
しかし、最近では梱包機の資材として使用されるバンドも、環境に配慮した土に戻る等
の製品も  多くなり、梱包機を選択し易くなったと言えます。
 
上記に挙げませんでしたが、バンドの「かさばり」は、意外にもユーザーさんにとって
は気になる  ところで、かさばらないバンドが開発されれば、梱包機が優位に立てる
かもしれません。

結束機の対象物(小物)

梱包機は、柔らかい対象物(製品)には不向きです。
というのは、包装資材であるバンド自体が柔軟性に乏しいため、緩く結束することが
できないためです。
また、バンドは強度が高い反面、堅いため、対象物に食い込むこともあります。
その為、段ボール製造工場における段ボールや繊維類の結束には、ほとんどと言って
良いくらい、紐掛機が使用されています。
バンドと比較すると、紐は柔らかいだけではなく、対象物の弾力を利用するため、
紐掛機は繊維類でも結束できるという利点があるのです。
よって、紐掛機は、段ボール製造業やリネンサプライ業では、欠かせない機械となって
います。

逆に、堅い対象物(製品)は、紐掛機はあまり得意ではありません。
先に書きました通り、紐掛機は対象物の弾力を利用するため、弾力のない対象物では
結束力が不足します。
例えば、木箱などは梱包機の方が無難です。

また、重量物も紐掛機は得意ではありません。
紐もバンドも人が手で掴むという前提で結束します。
よって、重量物を紐で結束すると、人手で掴むと切れる可能性がありますし、対象物の
表面が少しでも柔らかい場合、紐が食い込み易くなります。
例えば、重たい段ボールケースを複数結束する場合は、一般的には、紐掛機ではなく、
梱包機を使用します。

結束機の対象(パレット)

実パレットを結束するのは、ほとんどの場合、荷崩れ防止が目的です。
「束ねる」ということが目的である小物の結束と大きく異なる点です。
そして、実パレットについても、紐掛機と梱包機は使い分けられています。
小物の結束と異なるのは、その使い分けが明確なところです。

実パレットを結束する目的は、ほとんどの場合、荷崩れ防止と書きましたが、結束対象
となる実パレットには、大きく分けて、2種類あり、1つはケースや一斗缶などの箱形
の積載物、もう一つはビン・缶・ペットボトルなどの積載物です。
その他、特殊な事例ですが、段ボールシートなどがあります。
段ボールケースの場合、荷崩れ防止策は、色々あるのですが、いわゆる「棒積み」の
場合は、  最上段を水平結束することが多いようです。
また、ポリケースや一斗缶は、当然、「棒積み」になるため、やはり、最低でも最上段を結束する必要があります。

それに対し、ボトルなどの容器は、一般的に「バルク品」と呼ばれ、元々不安定な状態
で積み上げられるため、垂直に結束されます。

段ボールケースの場合は、梱包機でも良いのですが、大半は紐掛機を使用しています。 というのは、以前解説しました通り、梱包機は結束力の強さが特徴ですが、実パレットの最上段を結束するのは、最上段を一体化させるためですから、それほど結束力は必要ありません。 これは、ポリケース、一斗缶も同様です。
よって、紐掛機の方が優位となるのです。

ビン・缶・ペットボトルの場合は、水平結束しても意味がないので、垂直結束することになります。
紐掛機に垂直結束機がないため、自ずと梱包機ということになります。

特殊なケースですが、段ボール工場のシートのバラ積みラインでは、垂直に結束するので、梱包機が使用されています。

ということで、積み荷が箱物である場合は、水平結束機つまり紐掛機、バルク物の場合は、  垂直結束機つまり梱包機となります。
しかし、例外はあります。
実際に、箱物に対しても「パレット梱包機」なる機械が存在します。
生産量の多いラインでは、使用されませんが、半自動型として使用されています。

第三の結束機とは?

商品そのもの(小物)を梱包する場合は、ソフトに包み込むという感覚が必要です。
そこで、登場したのが、帯掛機(帯封機)です。
機構は、梱包機とよく似ているのですが、PPバンドを使用せず、紙テープまたはフィルムテープを包装資材として使用します。
梱包機から「独立」して帯掛機(帯封機)となり、包装資材も「紙バンド」から「紙テープ」と呼ばれています。
しかし、広い意味で帯掛機も「把捉機」の一種と考えられています。
この帯掛機は、小物を扱うところから、卓上型も多く、事務機器感覚で使用されています。
対象物を傷めることなく、ソフトに包み込む為には、紙テープやフィルムテープが最適で、紙テープは処分が容易というメリットもあります。

帯掛機の原型は、梱包機でしたが、事務機器として使用されるようになり事務機器メーカーも参入しています。


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